2月13日

朝、目覚めて一杯の水を飲み干す。

窓から差し込む光。気怠い身体。少しだけ参考書を開く。それから軽いストレッチ。朝食。

同じ朝を繰り返す。なんの感情もなく繰り返す。

家を出てカフェに立ち寄る。

「アイスコーヒーのショートサイズを氷抜きで店内で」熱い飲み物が苦手なわたしはいつもこれ。

注文したコーヒーを撮影して加工をしてインスタグラムの鍵アカウントに投稿する。

誰の目もないアカウントはわたしの写真の練習場。1年以上続けたおかげで少しは上達したように思う。

その日の予定を確認し、電車の時間がくるまで複写された雑誌記事を読む。国会図書館から記事を取り寄せるのがわたしの趣味のひとつなのだ。

 

わたしには、文章を読む習慣がなかった。

それが、ここ数年で急に読むようになった。キッカケすら覚えていないが、こうなった。

カフェの店員に手を振って退店する。そして出勤。職場へ。

 

夜明け前の住人だったわたしが今、朝の時間を大切にしている。夜が好きだった。今でもそうだ。けれど日々の暮らしはわたしを夜にいさせてなどくれない。残念ながら、生活しなければならない。望んだわけじゃない。

あの日、この世を去ることのできなかったわたしは、そのことばかりを悔やみながら朝のひかりの美しさを知る。